第4話
そんな私の唯一の願いも、たった今聞こえた銃声の音と同時に体に走った焼けるような痛みでもう叶わないことをどこかで感じながら私は地面へと倒れていった。
それはどこかスローモーションで
通りに並ぶお店に突っ込んでいる車や人の悲鳴。そのどれもが意識が薄れゆく私にはただのサウンドと変わりなかった。
倒れた拍子、コンクリートに体が打ち付けられたけど、そんな痛みを全く感じないぐらい私の意識は左肩にあった。まるで心臓がそこにあるかのようにドクンドクンと脈打つのが分かって、自分の体なのになんだかその感覚がとても気持ち悪かった。
火傷で皮膚がなくなったんじゃないかと思うほどの痛みはいっその事意識を失いたい私にとってひきとめるものとしかならなくて…
それでもだんだんと目が霞んできたのは、私の目の前を流れる自身の大量の血液のせい。
真っ赤に止めどもなく溢れてくるそれは、見ていて久しぶりに“私は生きている”という感覚を蘇らせてくれた。
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