第9話
沙耶香のボディガードは一卵性双生児。
双子を雇うにはセレブならではの事情がある。
財界の重鎮が集まる格式高いパーティでは会場入りの際に身に危険が伴う場合がある為、参加者の替え玉が使われる事もしばしば。
その際、当人と替え玉双方の護衛を果たさなければならない。
ボディガードは信用第一。
身内のスパイ行為や裏切り等のルール違反は許されない。
双子のうちの一人が裏切り行為を行えば、片割れも処罰の対象に。
二人は良くも悪くも常に連携プレーで、沙耶香の誕生と共に屋敷で雇われている。
担当のボディガードは、
プライベートな情報は雇い主の父親以外誰も知らない。
二人は三十代後半で短髪黒髪。
サングラスに黒スーツ黒ネクタイと全身黒ずくめ。
身長は180センチ超えでガタイがいい。
いっけん見分けがつかない二人だが、黒崎家では十メートル先でも判別できる。
兄妹がいない沙耶香にとっては家族のような存在。
幼少期からの思い出は、この二人無しでは語れないほど。
雇い主は父だが、二人は沙耶香の味方で良き理解者でもあった。
ボディーガードに加えて、今年六十六歳になる専属運転手の
コンビニで意中の彼を発見したあの日から、父親に毎日3分間分の虚偽報告をしてもらっている。
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