思い出のスイッチ
第22話
「やだっ…。セイくん起きてたの?」
紗南は不意に歌った歌声が、隣にいるセイ聞かれたと思ったら、急に恥ずかしくなった。
「レ・レ シ〜ラ〜ソ〜ファ#〜ファ#〜 ソ〜ソ〜♪ だよな」
「そうだけど。…どうして」
セイが奏でるメロディーが、間違いなく思い出の曲の《For you》だったから、紗南は驚くあまりに言葉を失った。
「今なら素直に伝えられるのに〜♪ Love you For you〜♪ Love you Forever〜♪」
初めて聞いたセイくんの歌声が、あまりにも素敵だったから。
私はベッドに座ったまま、うっとりと静かに聞き惚れた。
歌声が不思議と心地よくて。
心にジンと深く染み渡って。
ずっと傍で聴いていたくて。
歌声に感動した紗南は、自然と瞳から涙が溢れた。
どうやらこの曲は、私の思い出のスイッチだったみたい。
次々と涙が溢れてきて止まらないよ。
素敵。
セイくんの声と懐かしい歌の響きと。
似てる。
私に星型の飴をくれた皆川くんの歌い方と。
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