約束を守ろうとしてくれたセイくん
第5話
最初は保健室に2人きりという状況が気まずくて、自分からカーテン越しにコミュニケーションを図り始めた。
彼の喉の調子が悪い事がキッカケで、常に持ち歩いている星型の飴を手渡すと、彼は星型の飴に纏わる話に興味を湧かせた。
歌が上手く歌えなくて落ち込んでいた自分に一星という名の1文字を取った星型の飴をくれた皆川くんの話、声楽教室に通っていた思い出話、声楽教室の先生が作詞作曲した思い出の歌など、幼馴染との思い出を全て語った。
ところが、自分の思い出と重なっていた事を先に気付いた彼は、隣のベッドから積極的に話しかけてくるのは、幼馴染である私だと先に確信。
だが、自分が皆川くん本人だと言う事をカミングアウトしなかった。
何故なら、彼は小学生の頃に交わした私との思い出を、大切に守るつもりでいたから。
だから、降るか降らないかわからない大雪の日を待つ為に、秋頃から年明けの仕事をセーブして、再会の日を心待ちにしてくれていた。
一方、年明けの仕事を絞る為に、年内の仕事を増やして保健室から足を遠退かせていた彼に恋心を抱いていた自分は、再会の準備を進めていた彼の想いなど知らずに、暗く沈んだ時を過ごしていた。
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