第七章

思い出のストラップ

第44話

ーー今日は土曜日。


外は晴天。

気分が晴れない私の心は、曇り時々雨。



部活に入っていないぐーたらな私は、残念ながら丸一日予定が入っていない。

咲みたいに彼氏でもいれば少しは特別な休日になったかもね。




朝食をたらふく食べちゃうほど身体は元気なんだけど……。

今日は何だか気分がノらない。


今朝見た夢が少なからず心に影響を及ぼしている。

現実との区別がつかなくなるほど夢がリアルで、少し忘れかかっていた彼との日々を思い出してしまった。






谷崎くんに会いたいな。


もう一度だけ。

夢でもいいから……。




学習机にもたれかかっている愛里紗は、夢に出てきたイルカのストラップを思い出して、机の引き出しにしまっている宝箱を取り出した。


宝箱には、あの日彼がくれたストラップを無くさないように大事にしまっておいた。




そうだ!

今日は神社に行こう。

思い出の場所に行けば、少し気が晴れるかもしれない。




愛里紗はストラップを取り出してカバンの中に詰め込んだ。

そして、当時の思い出に浸る為に、昔は毎日のように通いつめていた近所の神社へと向かう。

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