再会

第24話

しゃがんで荷物を鞄に詰めている愛里紗は、男性の足元が視界に入って顔を見上げると、男性は言った。




「よそ見をしていてすみませんでした」


「こちらこそボーッとしていて、ごめんなさ…」




愛里紗が男性の姿を目に映した瞬間、驚きのあまりに言葉を失った。


何故言葉を失ってしまったかというと……。




高校生の制服を着ている彼は、ツンツンと乱雑にスタイリングしてある茶髪。

右耳にはシルバーのリングのピアスが一つ。

目は大きくてパッチリ二重。

スッと通った鼻筋。

手入れがしてあるキリリとした眉。

透き通ったキメ細かい白い肌。


そして、紺のブレザーにエンジ色のネクタイに、グリーンベースのチェックのズボン。




見覚えのあるその人物は、中学三年生の頃に交際していた、元彼の橋本 理玖はしもと りくだったから。



約一年振りに再会して、お互い目が合った瞬間……。


二人の間の空気が固まった。




お互い高校生になっている姿を見たのは、今日が初めて。

フリーズした互いの口が閉じるまで、およそ20秒の時が刻まれた。




「理玖…」


「愛里紗…………、マジかよ」




地元が同じだからいつ会ってもおかしくない状況だったけど、それが今でまさかこのタイミングだなんて…。




最悪…………。







彼は昔からイケメンでかなりモテていた。

その規模は同級生だけでなく、学校ではちょっとした有名人だった。

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