発覚
第4話
先生が用具室を出て、3分経過した事を腕時計で確認。
扉からヒョイと顔を覗かせ、左右にキョロキョロさせ人影がないかどうか確認しながら、誰にも気付かれないようにと用心深く、物音を立てずに用具室を出た。
秘密の恋愛は、はっきり言って楽じゃない。
普段何気なく使っている、この用具室を出る事すら勇気が必要なのだから。
しかし、安堵により深い吐息をもらしながら、両手で静かに用具室の扉をそっと閉めた瞬間………。
突然、誰かに後ろからいきなりポンッと肩を叩かれた。
ーーその瞬間。
ずっと緊張状態が続いていたせいで酷く驚いてしまい、ビクッと身体を大きく震わせ一気に血の気が引いた。
一瞬、心臓が止まりそうだった。
肩に乗せている誰かの手。
その気配に焦り狂って硬直する私。
そして、シンと張り詰めた空気。
先生との関係が…、バレ……た?
驚きと恐怖で目を見開き、身体が硬直して動かなくなった。
一瞬、頭に『退学』の二文字が過ぎる。
「梓。…あいつ、高梨だろ。」
背後からは聞き覚えのある声がした。
ガタガタ身体を震わせながら、恐る恐る後ろを振り返ってみると………。
そこには、奇しくも3年間同じクラスである蓮が少しムスッとした表情で、顔を青ざめさせながら身体を震わせる私を瞳に映していた。
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