スリリングな関係

第2話

唇からそっと離れた先生は、優しく微笑んで私の髪をクシャッと軽く握った。

大人の色気を醸し出す笑顔がたまらない。




「これから職員会議があるから、もう職員室に戻るよ。あずさも寄り道しないで気をつけて帰りなさい。」


「うん…。また、明日ね。」




私は柔らかい笑顔で、職員室に戻って行く先生に手を振って見送る。

先生は扉に手をかけると、別れを惜しむかのように優しく微笑み返した。




それから、用具室の扉を開けた先生から先に部屋を出て行く。


一人残された私は手元の時計とにらめっこし、先生が出て行ってから3分後に用具室を出る。




それが私達のルール。

二人同時に部屋から出ない。


今日もいつも通り。




先生と付き合い始めてから三ヶ月間、ずっとこんな感じでひっそりと用具室でお忍びデートを繰り返していた。


このスリリングな密会が、教師と生徒という関係の私達の気持ちを、より一層燃え上がらせていた。

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