秘密の恋愛
第1話
『私には絶対この人しかいない』
半年前まで付き合っていた同じクラスの元彼の蓮の時は、そう盲信していた。
アイドルのように整った顔立ち。
語りかける優しい声。
顔とは似合わない男らしい仕草。
ふんわりと漂う甘い香り。
そして強引にキスしてくる柔らかい唇…。
彼の全てが好きで仕方がなかった。
付き合っていた当時の私の瞳には蓮しか映っていない。
蓮以外、他の男になんて興味すら持たなかった。
でも…。
そんな彼とも、別れの日が訪れた。
付き合って一年半を過ぎた辺りから浮気を繰り返す彼に、愛想を尽かして別れを切り出したのは………、この私。
彼は別れに賛同しなかったけど、度重なる浮気に耐えかねた私には、別れという選択肢しか残っていなかった。
二度目までは我慢して浮気を許したけど、三度目には我慢の限界を超えていた。
この世に絶対なんてあり得ない。
冷たい風が吹き付ける日が徐々に増え、すっかり空も秋めいた今。
私は体育館の用具室の扉を締め切り、高梨先生の首の後ろに手を回し、先生は私の背中を自分の方に引き寄せるように腕を回し、二人熱く唇を交わす。
蓮と半年前に別れた私は、自分が通っている高校で元担任の高梨先生と三ヶ月前から恋愛中。
蓮しか知らなかった唇が、今や別の男のモノ。
誰にも話せない、誰にも相談できない…。
二人だけのスリリングな秘密の恋愛。
自分の親友ですら、私達の関係を知らない。
教師と生徒。
そう…。
私達はイケナイ関係。
当然、二人の関係が世間にバレてしまったら、ただ事では済まされない。
世間からのバッシングは免れられない。
この秘密の恋愛は誰にもバレないようにと、お互い細心の注意を払っていたつもりだった。
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