CASE3
長崎弘美 スナック
「ワーハハ!」
人際大きい声で笑うは長崎弘美49歳。
神奈川県の片隅に「スナック子豚」というちょっと変わった店名のお店がありました。
名前の由来は簡単なキッカケ、ママがぽっちゃりしてい
るから。ただそれだけだったはずなのに、従業員の子た
ちも皆、ぽっちゃりしていてママがこれじゃ「大豚ね」
と笑うのが十八番になっている。
弘美は店の看板でもあって、弘美目当てに来るお客さんも少なくない。
そんなお客さんたちに弘美は笑いで返す。お腹の贅肉を見せたり、ワキの下を見せたりと、女を捨てたキャラが
お客さんの中で人気がある。
そんな弘美はママから信頼を受けている。
弘美は最初の頃わからなくてお客さんから頂いたお酒を全部飲んでたらつぶれたことがある。
それからはお客さんから頂いたお酒を少しのんで捨てるというのがうまくなった。
弘美目当てで来るお客さんの中に、岩永さんという小説家がいる。作家業だけで生活しているらしい。
弘美はいつも岩永さんのことを凄いな~と思っている。
岩永さんは書き詰まると子豚にきて弘美の明るさに助けられてるという。
また、弘美も岩永さんがボトル入れてくれたり、たくさん飲んでくれたりで助けられてる。
小さなスナックは助け合いでできている。
岩永さんがある晩来た時、弘美は相変わらずの芸を披露して笑いをとっていた。
タイミングを見計らった所で、弘美は岩永さんを「ちょっと」と言って、外へ誘った。
岩永さんは「どうした?」といった模様。
すると弘美が、
「あのね、今岩永さん書いている小説があるっていったじゃない?」
「うん」
「私、生き別れた弟がいるの。でもちょっと障がいをもってて、読み書きが遅いの。でも本が大好きなのだから岩永さんの本も読むかもしれないから、ふりがな多めの本にしてくれないかな?」
岩永さんは一瞬夜空を見つめて。
「わかった。編集者に言ってみるよ」
「ありがとう。ママには内緒ね!」
お店に戻るとママが「どうしたのよ?」
「ちょっと(笑)」
それから数ヵ月後、岩永氏のふりがな多めの本が発売された。
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