第15話
友蔵さんの訃報が届いた。
最期は、家族に囲まれながら、笑顔で亡くなったらしい。
この世に、笑顔で死ねる人はどのくらいいるのだろう。
きっとごく僅かだ。
友蔵さんは最期まで幸せ者だ。
ユウが入ってきた。
手に花束を抱えている。
ユウは花束を友蔵さんのベッドに置いた。
よく見ると、茎に不自然な凹凸がある。
造花だ。
「......そこは本物の花じゃないのか?」
聞いてみる。
「本物だとすぐに枯れちゃう。だから儚い命より、永遠に変わらないものの方がいい」
......意味分からん。
「この人が死んで悲しい人はどれくらいいるのかな」
「え、そりゃあこの人を知ってるほとんどの人じゃないか?」
「それは表面上の話。本当に悲しい人は少ないかもしれない」
......ユウの考え方は、だんだん俺に似てきている気がする。
やっぱりこいつは、人間のユウじゃない。
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