第6話

「......声大きすぎんだろ、お前......耳キーンってなったぞ」


そう誤魔化しながらも、頭の中は軽くパニック状態だった。


ユウが幽霊??


幽霊って実在したのか???


これ......夢としか思えないんだが......


そう思った俺は、自分の手の甲を軽くつねってみた。


痛い。つまり夢じゃない。


「お前マジで幽霊なのかよ......」


「私が時雨くんに嘘つくと思う?」


正論だ。


ユウはいつも純粋で、正直だ。


俺もユウが死んでいることは知っているから、嘘のつきようがない。


「で、今どこ行こうとしてたの? 今真夜中だよ?」


「......ちょっと散歩」


「私のことでショック受けてたから?」


......正解。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る