第42話

翔貴side


情報屋に依頼をして1ヶ月がたった


最後に依頼をしてからは一切、返信が来ない


しかも、黒蝶も姿を見せなくなった


あの女に関しても新しい情報はでてきていない


なにもかもがうまくいかないことに苛立ちを覚える


いままでは、こんなことは一度もなかった


ほしいものがあれば、どんな手を使っても手に入れてきた


そんな俺が女1人の情報すら得られない


「何やってんだよ俺は」


俺しかいない部屋で考えるていると綾人が部屋に入ってきた


「若、葵衣様の情報で新たなことがわかりました」


「なんだ」


「彼女は、橘 龍之介リュウノスケの子供ではありません。」


「は?あいつはあそこの組長と愛人との間にできた奴じゃないのか?」


「橘は彼女の叔父です。」


「どういことだ?」


「彼女を産んだ母親は鈴木スズキ 結衣ユイ、旧姓は神田カンダ 結衣ユイ、父親は鈴木 シンです。」


「神田?どこかで聞いたことがある」


「えぇ、神田は十数年前まで華龍会カリュウカイというこの町の極道でした。」


「華龍会?そんな組は聞いたことがねぇ。」


「私も、知りませんでした。華龍会は十数年前に当時の若頭が死に、その後会長も持病が悪化し亡くなっため解散しています。」


「お前は、その情報をどこで得た?」


「うちの古参のやつを酔わせて聞き出しました。親父の話を聞く限り、親父や姐さんは知っていると思ったので、それなら他の組員のやつも何か知ってるはずだと思いまして。なかなか大変でしたけど。ただ、まだ探れば何かしら出てくると思います。」


口の堅い古参どもに口を割らせるとはなかなかやるなこいつ


引き続き調べるよう綾人に指示をした

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