第30話

葵衣side


2人で食事をした次の日、私の目の前には西宮組の本家


「おかえりなせーやしっっ!!!」


門をくぐると組員の人たちが挨拶をして頭をさげる


私はどうしたらいいか分からなかったので頭を下げた


「いらっしゃーい」


そういって出迎えてくれたのはお義母様の夕貴さん


「お久しぶりです。本日はお招きいただきありがとうございます。あの、クッキーを焼いてきたんです。良かったら受け取ってください。」


「えっ本当にいいの?」


「はい。本当はちゃんとしたお菓子を用意したかったのですが、急だったので手作りになってしまって申し訳ありません。」


「私たちは葵衣ちゃんの手作りのほうが嬉しいよ」


そういって出てきたのはお義父様の翔一郎さん


「そうよ、急に呼んだのはこちらだしわざわざ私たちのために作ってくれたなんて嬉しいわ」


「喜んでいただけたようで何よりです」


「さあさあ、立ち話もなんだし中でゆっくり話そうじゃないか」


玄関から上がるとお義母様に腕を引っ張られた


「葵衣ちゃんは私と2人でお茶でも飲みながらお話しましょう。翔一郎たちは仕事の話があるみたいだから」


「はい」


お義母様に手を引かれ部屋に入る


「この部屋はねあなたのために用意した部屋なの」


「なぜですか?」


「もちろん、これから先ここに来ることも増えるし、泊まっていくこともあると思うからよ」


「それとね、ここの部屋はあなたの産みのお母さんも使ってたことがあるの」


「ママのこと知っているんですか?」


「えぇ、あなたのママと私は同級生で親友なのよ」


「ママがなぜこの部屋を使ってたことがあるんですか?」


「うーん、それは今はまだ教えられないの」


お義母様は困ったように言った

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