ぼくらは群青を探している
宵
第1 記憶
第1話
【群青VS深緋】
【不良同士の抗争に犠牲者】
【関係者への取材に成功。
不良同士の小競り合いから
発展した殺人事件の
舞台裏が見えてきた】
『一色市のレンタル倉庫において、
一色市には、いわゆる「不良チーム」が複数存在した。新庄くんは「深緋(ディープ・スカーレット)」という不良チームのNo.2であり、市内でも指折りの
「深緋」のOBであるAさんは、チーム同士の関係についてこう語った。「もともと、深緋と群青は仲が悪いんです。俺が現役のときも、しょっちゅう衝突してました。相手チームの幹部連中の彼女誘拐するなんていくらでもありましたよ。そりゃもっと仲も悪くなりますよね」
今回の事件も、その“衝突”の一環だと考えてなにも不思議なことはないという。
「ちょっとやりすぎたんでしょ。でも未成年ですからね、よかったですね」
今回の事件の犯人は「群青」のK.Sくん。K.Sくんは、事件の数日後、自ら警察に出頭した。
「中学のころからヤバいヤツでした。中学に入学したばっかりの頃に上級生をぶっ飛ばして、そこから群青に目を付けられてたみたいです。高校に入ってからは、学校で一番の優等生だった女の子のことがお気に入りで。監視するみたいにずっとその子の近くにいたし、その子が無理矢理さらわれる様子も何度も見ました。最後はその子が自分でついて行くようになってて……なにか、弱味でも握られてたんじゃないか……」と語るのは、K.Sくんと同じ
「群青」のメンバーはK.Sくんが起こした事件について「普通、殺しまではしない」と口を揃えた。K.Sくんの異常さはメンバー公認だったということだろう……。』
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