街灯の下で
第1話
駅舎から出ると、涙がじわりと視界を覆った。
何に泣けるって、自分のポンコツさ加減だ。
仕事でまた同じミスをした。
私は1ヶ月前に異動した部署でつまらないミスを繰り返している。
注意だけで終わるし、先輩たちも大丈夫だと言ってくれる。
それが余計に情けない。
怒ったって仕方ない程に出来ない人間と思われているのではないか。
上司が怒らない人だってだけなのに、私は卑屈になって歪曲させてしまう。
それに加えて今日も多忙を極めて、ふくらはぎがパンパンだ。
帰ったらシャワー浴びずに寝てしまいたい。そして明日の休日はダラダラ過ごそう。
いやいや、汗かいたし、化粧も落とさないと。
私はまだまだ終わらない一日を呪う。
「笑いあった日々や」
男性の歌声が聞こえた。
決して大きいとは言えない駅舎から伸びる歩道で時々歌っている男の子のものだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます