街灯の下で

第1話

駅舎から出ると、涙がじわりと視界を覆った。


何に泣けるって、自分のポンコツさ加減だ。


仕事でまた同じミスをした。

私は1ヶ月前に異動した部署でつまらないミスを繰り返している。


注意だけで終わるし、先輩たちも大丈夫だと言ってくれる。


それが余計に情けない。



怒ったって仕方ない程に出来ない人間と思われているのではないか。

上司が怒らない人だってだけなのに、私は卑屈になって歪曲させてしまう。 


それに加えて今日も多忙を極めて、ふくらはぎがパンパンだ。


帰ったらシャワー浴びずに寝てしまいたい。そして明日の休日はダラダラ過ごそう。

いやいや、汗かいたし、化粧も落とさないと。


私はまだまだ終わらない一日を呪う。



「笑いあった日々や」


男性の歌声が聞こえた。


決して大きいとは言えない駅舎から伸びる歩道で時々歌っている男の子のものだろう。

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