第34話

「それが"北"の渡邉噛む気だとよ。」


「あーあー。熱いねぇ。」


そこの異動してきた刑事が三井という警部の下に居ながら、お咎め程度で済んじまうような小さい罪で

"北"、つまり窪山組の渡邉と言うぺーぺーを捕まえる。



「面倒くせぇ野郎だなぁ、倉田ってぇのは。三井が教育係だろうがよ。」


俺はそこのテーブルに受け取ったジョッキを置いて口を挟んだ。



この店には三つのルールが有る。


一、口を挟む者拒むべからず


ニ、『此処は俺の店だ。俺がルールだ。』

マスターは絶対だ。


三、飲んだグラスはカウンターに下げろ。



「おう。お前凄ぇじゃねぇか。若頭昇進。」

「よせよ。中間管理職みてぇなもんだ。」


「俺の苦労が分かったか。」


「あぁ。部下の扱いに困ったら相談させてくれ。

で。なんで、三井は新米をしつけないんだ?」


「倉田は30後半で此処来る前もマル暴やってたらしいからな。」



何処だと聞けば、日本一暴力団排除に力を入れてる県だと返ってきた。

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