第3話

最悪死ぬかもと思ってはいたが、糞みてぇな生涯なのに

意外と長らえて良いらしい。


憎まれっ子なんたらか、閻魔も俺がいけ好かなかったか。



目覚めてすぐに普通に動こうとして激痛が全身を走った時は

流石に楽になっちまった方が良かったなんて思いもしたが。



此処、何処だ?

そうは思うが何処も動かせない。


その時、ぎぃと物音がした。

ドアを開ける音だと分かる。


ボヤけた視界すら動かせない俺は、利き手でもある左手に力を入れた。痛ぇ。



「…あぁ!……わぁっ。」


声からして入って来たのはどうやら女。

どさどさどさと何かが落ちる音がかすかに聞こえた。

反響してる様な感覚は爆発時の風圧によるものだろう。



「やっぱり!お目覚めになったんですね!天の父なる神様、この方をお救い下さり有り難うございます。どうか一日も早く回復しますよう、お見守り下さい。イエス様の御名によってお祈りいたします、アーメン!」



……は?



なんだこいつ!

 

待て待て待て。 何アーメンって!

28年生きてるけど起きて祈られたの初めてだ。


ドラクエみたいに生き返った設定か?



「あ、すみません。つい!」



ついってなんだ。つい祈っちゃうのか、こいつは。

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