第63話

そう言えばガキの頃の双葉はいつもこんな感じだったな。



何か事がある度に一喜一憂してコロコロと表情を変えてた。



あれから十年以上は時が経ったけど、その辺あまり変わってねぇんだな……。



素直で嫌いじゃなかったんだよ。


双葉のそういうところ。


むしろ、結構好きだった。




最近は話すことも少なかったから気付きもしなかったわ。


変わっていないと知れて嬉しい。



当時はよく照れてたイメージだけど、今の双葉はどんな顔をするんだろう。



あの頃からそんなに顔も変わってねーし、反応とかも同じだろうか。



物凄く気になる。




「皆に認めて貰うためにも、まずは仲がいいってところを見せていかないとね」


「お向かいさんみたいにはならないって徹底的にアピールするのか」


「そうよ。今やっている仲良しキャンペーンよりも更に自然に」


「俺らは絶対に大丈夫ってところを皆に見せるのな」




張り切る双葉に応えながら心の中でニンマリと笑う。



いいじゃん。使えるな、それ。

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