第61話

「そこまで言うってことは……、双葉は俺の作るお菓子が好きなのな」


「そりゃそうよ。だから皐月と結婚したんだし」


「ほぅ」


「たとえ同じ味でも皐月にしか出せない味ってものがあるでしょう」




試しに聞けば双葉は欲しかった答えをあっさりと呟いた。




そうか。


双葉は俺の作ったお菓子が好きなのか。




だったら、いいかなと思う。



他が否定したって双葉が認めてくれるならそれでいい。



俺の夢は双葉の隣でお菓子を作っていくことだし。



それが永遠のモノになるなら別に店を継ぐのに何年掛かろうが構わない。



ただ永遠にするためには跡継ぎとしての地位を確立しないとイケないから、そこは抜かされて焦っているんだけど。

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