第49話

「……間に合いそう?」




そこから、いつも通り営業して閉店後。



野菊ちゃんが割ったお菓子を作り直していると、双葉が作業場に来て、不安そうに尋ねてきた。



俺も含め、ジイちゃんや親父さんも残業を余儀なくされただけに気にしているらしい。



落ち込んだように肩を丸めてしょげている。




「大丈夫。ギリ間に合う」


「そっか……。ごめんね。明日も早いのに」


「別にいいって。しょうがないだろ」





サラリと答えた俺に双葉は申し訳なさそうに顔を曇らせた。



寝る時間が減っちゃうね、って。



別に双葉の所為じゃないし、そんな顔をしなくたっていいと思うが、自分が野菊ちゃんに頼んでそうなっただけに責任を感じているみたいだ。



テキパキと雑用をこなしたかと思うと、作業場に置いてあったイスを持ってきて、隅っこに座った。



一緒に店に残って皆を手伝う気でいるらしい。

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