第47話

「私にも下さい〜」



企みどおり野菊ちゃんが筒地に駆け寄っていく。



その間も双葉は筒地とお菓子を食べながら機嫌が良さそうに笑ってた。




まぁ、そうやって双葉が喜ぶのも無理はないけどな。


確かにあれは機嫌を取られるレベルに美味かった。



親父さんが商品として売れないか、と真剣に考え出すくらい。



だけど、そうやって双葉を笑わせていいのは俺だけだから。


そこだけは絶対に譲れない。




「太るぞ」


「……何よ」


「仕事中にバクバク食べてんな」


「はぁ?」




だから、傍に行って悪態をついてやった。



本末転倒だけど、あんまヘラヘラ笑ってるから歯痒くて。

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