第34話

今も店に並べる予定の煎餅せんべいを箱ごと地面にひっくり返した。



側で見ていたお義母さんと祖母さんも、顔を見合わせて苦笑い。


双葉は凍り付いた顔で“どうしよう”とアタフタしている。




なのに、野菊ちゃんときたら、語尾に星まで飛ばして呑気そのものだ。




ここはもう、思いきり自分の頬をぶっ叩いて『っ"ぁ"…ッ!すみませんでしたぁっ!!気合を入れ直します』と、スポ根アニメなみの謝罪を見せて欲しい。




だって、仮に俺や双葉が同じことをやってみろ。



祖父さんと親父さんに『1から出直せ』ってドヤされるぞ。




しかし、ホントどうすっかな。これ。


実際問題、すげぇ困る。


下げたものは食えばいいけど、作るのがな。



開店まであまり時間がないし。


今ある在庫で足りるか?



今日は月曜日だから、あのお客さんと、このお客さんが買いに来るはず……、と頭の中で軽く計算。

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