第11話

「あら、やだ。本当に?」




近くで聞いていたお母さんも、思う気持ちは私やお祖母ちゃんと一緒だったみたい。



残念そうに声を沈ませると、丸っこい肩を更に丸めてコッチに来た。



大げさなくらい眉尻を下げて、自分のことのようにショックを受けている。




「本当よ。私も聞いてビックリ」


「えー。あそこのバイトのお嬢さんって娘さんよりも若かったわよね」


「そうよ。学生さん」


「んまぁ、男と女なんてふとした拍子でどうなるか、わからないものね〜」




働く手を止めてヒソヒソと会話を続ける、お祖母ちゃんとお母さん。



お互い頬に手を当てながら「大変ね〜」を連発。


声のトーンまで落としてすっかり噂話モード。



次から次へと、お祖母ちゃんが参加してきたババ様ネットワーク(井戸端会議)で聞いた情報を元に、会話をポンポンと広げていく。



それを黙って開店準備をしながら聞く私。

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