第9話

「ねぇ…。何か飲む?」



とにかく来てしまったからには後に引けず。


お決まりな感じの言葉を投げながら、部屋の片隅にあったテーブルに鞄を置く。



ちょっと良い女ぶって冷蔵庫を開けて、も慣れてますみたいな顔でお茶を取り出してみたけど、飲む気にはなれない。



ろくに会話も思い浮かばないし、ただ「何も要らない」と言われて「そっか」と渇いた声を返すだけ。



普通な顔をして平気ぶっているけど、内心テンパってる。


さっきから心臓がバカみたいに煩い。




それに正直悩む。


何せ7歳も下の相手だし、自分が主導権を握った方がいいのかとか色々考える。



でも、相手は男の子だし、やっぱり任すべき?なんて迷ってしまって余計に動き出せない。

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