第63話
しかし、最悪だ。
よりによって、どうして村田と一緒にいるタイミングで出くわすかな……。
どうせなら他にもっと適切なタイミングがあったでしょ。
貴ちゃんと、この子がガッツリ浮気をしている現場にバッタリとか。
何かもっとこう私が許せばいいだけ、ってタイミングで会いたかった。
そしたら“そっか”の一言で終われたのに。
今なら、たとえ
この冷めきってしまったテンションなら普通に許せる。
むしろ、踏ん切りもつくし、いいとすら思う。
その証拠に、この子を見ても全然腹が立つ感情が湧かない。
“うーわ、貴ちゃんの浮気相手だし。気まず!”って頭の中はそれだけ。
それより、村田の存在を貴ちゃんにチクられるんじゃないか……って、そっちの方が心配。
鬼の束縛師であるヤツのことだ。
バレたら間違いなく縁を切らされる。
というより、ブチギレ、ボコパチ。
その怒りの対象が私だけだったら、まだいい。
でも、ヤツのことだ。
間違いなく村田のところへも飛んでいく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます