第59話

「わかった。ノンアルコールビールね」


「おー、何でもいいからビール」


「銀色のやつな」




あえてアルコール抜きと言った私の発言を軽くあしらい、兄貴たちはビール缶に手を伸ばして楽しそうに笑う。




いったい何がそんなに面白いのか、何でも買えってゲラゲラ笑いながら自分の財布まで投げてきて、かなり上機嫌。



ついでに自分の物も色々と買ってやろうか……なんて悪企みを抱きつつも、しっかりとした足取りで玄関に向かった村田と一緒に家を出る。




外は当たり前だけど、静かだった。


他に誰も歩いてないし、すっかり夜って感じ。



マンションの光と電灯があるおかげで道はそこそこ明るいけど。

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