第32話

でもまぁ、付けてくれただけまだマシ。



最初はそのままされそうになった。


焦って必死に暴れて、どうにかこうにか交渉は成立。


若干の理性は取り戻せた。



その所為で怪我が増えただけど、まぁ、仕方がない。


本当に付けただけマシ。




それにしても全身が痛い。


顔なんて髪が触れただけで痛い。



これもう、痣どころかお化けみたいに腫れ上がるんじゃないかと思う。



明日はバイトがあるのに……。


どうしよう。




「マジで好きだから」


「わかってる」


「離れていくな!」




本気で思ってるのか、熱に浮かされてるだけなのか、どっちかわからないけど、貴ちゃんはやけに必死だ。



ボロボロになったカラダを抱き締められ、痛みに悲鳴を上げる。

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