第77話

「な、何するんですか……」




煙草と香水の入り混じった香りが鼻を掠め、平常心を保つことも出来ずに声が裏返る。




お兄ちゃん以外の男の人に抱き締められるのは…これで2回目。


いくら真面目でブラコンだからって、私にだって少しくらい経験はある。



でも、やっぱり初めてじゃないにしろ免疫が無い分、ドキドキしてしまう。




「そりゃ無鉄砲な上に、片手であっさり拘束されるような隙の甘さじゃ昴も過保護になるわな」


「……な、」


「上等なんだろ?だったら俺から逃げてみろ」


「はい?」


「逃げることが出来たら、お前が求めてた“答え”を教えてやる」

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