第73話
それにこの人が同じ学校だという事実は私に取ってかなり都合がいい。
ここで知り合ったのが本当に運命だったと思えるくらいに。
「へえー。じゃあ、お兄ちゃんの他の友達のことも知ってたりします?」
「あぁ」
「良かったら紹介してくれません?」
「は?」
「実はお兄ちゃんが亡くなる前に私に言ってたんですよね。“会わせたい人が居る”って。誰のことだったのかずっと気になってて」
にっこり微笑みながら彼の目を真っ直ぐ見つめる。
あくまでも…普通に見えるように。
“迷宮の中で手掛かりになりそうな道標はこの人しか居ない”
言うならば、そんな心境。
けど、彼は再び表情を固くさせて私から目を逸らす。
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