第54話

あぁ、お忍びで日本に遊びに来られたんですね。


welcome to Japan!と焦る頭で思った。




これはもしや、異国の王子様と恋のフラグ!?



迷い込んだ廃工場内で出会った2人。


そう。この出逢いは必然だった。


国境を超えた愛の物語が今、始まる──。




………と、感動的な映画のキャッチフレーズまで思い描いた瞬間、薄暗い空間の中で異質感を放つ白い“ソレ”を見て違うと思い知らされる。




「…は?着物?」



背中を向けたままそう低く呟き、目を細めた彼の背中には“LIBERTY”の文字。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る