第9話

私がお兄ちゃんに懐いてたから、っていうのもあるのかも知れない。



小さい頃はベッタリ後を追っかけ回してたし、ある程度年齢を重ねてからも、ちょくちょく一緒に居たがってたから。




それに大人はどうであれ、友達も多かったと思う。



お兄ちゃんは狂暴ですぐに手が出るタイプだったけれど、正義感が強く明るく仲間思いで周りには常に人がいっぱい居た。



“チエミがあいつらに懐きでもしたら困る”



なんて言って、自分の友達と私をあまり接触させたがらなかったけど。



いつも遠目で見掛ける限りでは楽しそうにしてたし、お葬式の時も結構な人数が集まってた。

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