第67話
「じゃあ、毎日電話して、会う度にキスマークを付けて、消えるまでに会いに来て下さい」
「分かった」
「本当にいいんですか?」
「構わねぇ。他は?」
「他は…って」
頷いた先輩を食い入るように見つめる。
本当にいいんだろうか。
只でさえ色んな人に囲まれて忙しそうに見えるのに。
「もっと他にあるだろ。優しくしてくれとか、どっか連れてけとか、指輪を買ってくれ、とか」
「言われて来たんですか?」
「例えだよ」
思わず質問を飛ばした私に先輩は苦々しい笑みを零す。
過去の女の話は聞くなと言われているようだ。
サラッと払われた気がする。
それにしても気にしてちょっと妬けてる時点でやっぱり私は嫉妬深い。
紛れもなく抱き締められてる最中なのに。
自分は心の中で別の人を思ってるのに…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます