第58話
「頼むから泣くなよ、マジで」
「……やだ」
「やだじゃねー。話せなくなるだろ」
「うん…」
「お前の気持ちも分かるけど。ちったぁ危険に晒したくねぇって俺の気持ちも分かれよ」
私の頬に流れた涙を親指で拭いながら先輩は落ち着き払った口調で話す。
顔は怖いままでも触る手は優しい。
子供を諭す感じだ。
本当に心配してくれてる。
大事にしようとしてくれてるよ。先輩は。
だけど…。
「……どうしてもダメですか?」
「ダメだ。今日だって危ねぇ目に遭ってだろ」
「次こそ抜かりなくやるって言っても?」
「アホか」
「何だったら上手いこと言って一緒に連れて行けばいいんですよ。割りと使い物になりますよ」
「しつけーな。売り込もうとまでするな」
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