第51話

「先輩がそう言うくらいだから本気で探されてるんですね」


「だから見つからねぇように片っ端からお前の情報を消したんだろ」


「あれやったの先輩なんですか?」


「やったのは昴だよ」


「お兄ちゃん?」


「俺は元々あいつがやってた事に手ぇ加えただけ。興信所とかその辺に手ぇ回したり」




俯きがちに話す先輩の顔をじっと見つめる。



あれだけ徹底的に隠されてる私の情報。



大半はお兄ちゃんがやったの?


私の存在を隠す為に?



同級生にも友達にも私の存在を隠して、情報を消せるだけ消して。


ひたすら妹だって事を周りに隠してたの?


私の知らないところで、ずっと前から…。

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