第41話
だけど、本心だ。
1番渡さなきゃいけないものが渡せない代わりに何でもしてあげたいと思ってしまった。
むしろ、そうする事で寂しさを埋めたかったのかも知れない。
甘えるのと同時に甘えられたいって。
私に甘えてくる人なんてお兄ちゃんだけだったから。
「お前はほんと…。話す決心を鈍らせるなよな」
じっと私を見つめながら先輩が重々しく呟く。
そしてまたさっき玄関でしてたみたいに躊躇うような顔をすると、肩を落として溜め息を吐いた。
「撤回すんなよ。やっぱ別れるとか」
「しないから早く話して下さいよ。気になってるんですから」
「先に風呂入って来ていい?」
「はい」
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