第22話

本当に彼女だったんだ。


てっきりハーレム的な何かだと思ってたのに。


ちょっとビックリ。




「あれ、彼女にするって意味だったんですか」


「そうだ。だからアホみてぇに手ぇ掛けるし、会おうとだってするんだろうが」


「まぁ、確かに…」


「じゃなきゃ家にだって入れてねぇよ。ただのダチの妹のままで置いとくならな」




そう言って先輩は私の手を掴んでエレベーターに乗り込む。



普通に手なんか繋いじゃって彼女みたい。


いや、本当に彼女なのか…。


何だか信じられない。


不思議な感じ。



だって、あれだけ欲しいと思ってた彼女の立場。



なりたくて、なりたくて、どうしてもなりたくて、それでも貰えなかった称号。



こんな、あっさり与えられるとは思ってなかった。



自分は何も与える事が出来ないのに。


貰っていいんだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る