第3話

加賀かが先輩が住む50階建てのタワーマンションの1階。



エントランス横に設けられた来客用のソファに座り、阿部あべ先輩と話しながら、飾られた生け花に視線を向ける。


黄色に緑に白に赤に橙色に沢山の花で埋め尽くされてて華やかだ。


ホテルのロビーっぽいエントランスの雰囲気に合ってる。





「メルファもポテチ食う?」


「いや、いいです」



パリパリと音を立てながらご満悦でポテチを食べてる阿部先輩に苦笑いを返す。



迎えに来た阿部先輩と落ち合うこと数十分。


タクシーに乗って此処ここに来ること数分。



さっきから、ずっとこの調子。



カローであった出来事。望都もととの出来事。


それにお兄ちゃんとの思い出を色濃く思い出した所為もあり、最初こそ凄く気持ちが落ちてた。



だが、阿部先輩が剽軽ひょうきんに話し掛けてくれるお陰で鬱々した気分も減り、どうにかモチベーションを保てて今に至る。

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