第86話

何がそんなに偉いんだか、何をそんな凄い事をやったんだが、その辺に歩いてる人と何も変わらない普通の人間なのに、めちゃくちゃ偉ぶる。




だったら世の為、人の為になるようなことをしてから偉ぶれ。


何か1つでも偉業を成し遂げてから偉ぶれ。


若しくは無人島でも買って1人で王様ぶっとけ。



と思うが、それを言ったら彼女はまた言うんだろう。



“上から目線で言うな”と。



馬鹿になんかしてない、敬えと言うなら一人の人間として敬ってる、言葉遣いだって気を付けてる、いつも数歩引いて接してるでしょ。と思うが、バッカの一つ覚えみたいに“敬え、敬え”と言い続ける。



言わなきゃ自分が落ちてしまうとでも思ってるみたいに。



何も言わなくても落ちないのに、むしろ言った方が落ちるのに、自分の位置をずっと気にして、自分より上がってくるなと狂ったように言い続ける。



実際は自分が感じてる高さより一歩上の場所に居るのにだ。


わざわざ階数を上げてるのに、まるで気付いてない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る