第83話

そして今。


犯行があった上での反抗である。



しかし、こんなに綺麗な字が書けるなら心も澄んでてくれよと思う。



安久谷桑子あくやくわこ、25歳。


反撃開始。


本気の悪役ライフを楽しんでます。





「バカじゃないの?あんたなんか全然怖くないわ。しょっぼい」


「なら顔を見て直接文句を言えばいいのに」


「はぁ?別にどうやろうと、あたしの勝手でしょ」


「何だそれ。好き放題言うだけ言ってこっちの意見は無視する気かド厚かましい」


「な、」


「一方的に気持ちをぶつけるな。受け止めさすな。せめて名を名乗れ。言い逃げするな。自己中が」




桑子、心の俳句。とタイトルが付きそうな罵倒を社員Aさんに浴びせる。


だって本当にムカついた。


名前も書かずに、しかも手紙を使って一方的に文句を聞かせるのは如何いかがなものか。



自分の意見を聞いて欲しいのは分かる。


自分の考えが正しいと認めて欲しいのも分かる。


腹立つ気持ちを受け止めて欲しいのも分かる。



ただゴミ箱じゃないんだぞ。


聞こえてるけど返事をしないだけだとは思わないのか。

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