第68話
うぉー、マジか。マジか。と心の中で呟きながら、自分も席を立ち、お茶を飲む為に休憩室に向かう。
気分は最高。絶好調。
人生初と言えるくらいの充実感。
無駄にテンションが上がってる。
しかし、休憩室に近づいた瞬間、せっかくのルンルン気分が残酷なくらいにぶっ潰される。
「ねぇ、あまり安久谷さんとは仲良くしない方がいいよ」
出た。
まるでお化けでも見たような気持ちで立ち止まる。
休憩室の中から聞こえる愛らしいヒロイン声。
萌だ。
間違いない。この運動部のマネージャーっぽい声の持ち主は萌しか居ない。
校庭を走る部員に『皆ー!頑張れ。ファイト!ファイト!オー!』とか応援の掛け声を掛けてそうな。
それにしても私と“仲良くするな”だなんて。
可愛い声には相応しくない悪役じみた台詞だ。
顔だけ見たら『止めて!イジメなんて絶対にダメよ。許さないわ』と両手を広げて友達の前に立ってそうな清純さなのに。
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