第54話
「初めまして皆様。只今部長様からご紹介に与りました、今城白実と申します。至らない点も多々あると思いますが、何卒優しい目で宜しくお願いします」
えらく畏まった口調で自己紹介をした今城さんは、両手を揃えてペコリと綺麗な角度でお辞儀をする。
いかにもお嬢様っぽい仕草だ。
やっぱり本物のお嬢様っぽい。
またどうしてうちの会社にお嬢様が?
えらくキャラが濃いのが入って来たな…。と思ってたら、今城さんが私の顔を見て驚いたように目を見開いた。
「まぁ!あなたはあの時の優しい方!」
「…はい?」
「私です、私。覚えていらっしゃらない?先月の始め頃に大変親切にして頂いたのですけど」
「えーっと」
「あぁ、どうしましょう…。またお会い出来るなんて嬉しい。もうずっとずっとお会いしたいと思ってたんです」
ラメでも振り掛けたんですか?ってくらいキラキラと顔を輝かせ、今城さんは私の手を取り、両手で包み込むようにぎゅっと握る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます