第79話
「クゲ君…!」
必死に大声で名前を呼ぶ。
クゲ君は直ぐに私に気づいて驚いたように目を見開いた。
その瞬間、ドアが開いて黒服の男が部屋に入ってくる。
腕を掴まれ、引きずられそうになる体。
必死に手すりを掴んで抵抗する。
ドコへ連れて行こうとしているのか…。
行きたくない、行きたくない、そんな思い。
クゲ君はそんな私に向かって大声で叫んだ。
「キリちゃんの分の売掛金859万だって。しっかり稼いできてね〜」って。
ひらひらと手を振ると、近くのパチンコ屋さんの中に消えてった。
絶望の沼の底。
何が事実で何が嘘だったかを知った瞬間。
そこで初めて騙されてたのだと知る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます