第51話

「は?何それ」


「クゲ君のことが好きなんでしょ?」


「え、バカ?あんなやつ好きなわけがないじゃん」


「でも、クゲ君がマキちゃんに告白されたって言ってたし」


「確かに告白はしたけど…」


「ほら、やっぱり」




実際そうなんじゃない。


全然そんなことありませんって顔をして嘘ばかり。


なんで、そんな嘘吐くの。




「違うんだってぇ、それは」


「何が違うの?」


「最初はほんの遊び心みたいなものだったの。カッコイイとかそれくらいで…」


「それで好きになったとか?」


「違う。好きとか本当に違うんだよ。マキちゃん…」




言うなり、マキちゃんは顔を真っ青にして黙り込んだ。



指をギュッと両手で結んで怯えたように震えてる。

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