第44話

「無視するのも考えたんだけど。あんまり邪険に扱うのもね」


「そう、だね」


「キリちゃんと付き合いたいと思ってるから余計。出来れば円満に解決したい」


「そっか。私と………、って、えっ!?」




いきなりビックリなことを言われて目を見開く。



クゲ君が私と?


そんなまさか。


マキちゃんの話をしてたはずなのに、それがぶっ飛ぶくらいの衝撃。





「やっぱ、そうなったら気まずい?」


「そりゃそうでしょ」


「でも、すげぇ好きになっちゃったんだよね」


「う、うん」


「このままズルズル過ごして他の男に取られたくないし…」




だめ?とクゲ君はコテンと首を傾げて私の目を見つめてくる。



だめって…、だめなのかな?




別にクゲ君は噂されてるような酷い人間でもないし、趣味も合ってて一緒に居ると楽しい。



優しいし、会話も弾む。


恋愛対象として見れるかって全然あり。



好きかと聞かれたら、わりと好きかも知れない。 




でも、マキちゃんのことを思うと……。

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