第33話

「やばいんだってぇ。マジで」


「何が?」


「キリちゃん、絶対あいつに騙されてるから!」




焦った様子でスマホを私に差し出すマキちゃん。



出された画面に映し出されたのはクゲ君のファンの交流サイトだった。



画面をスクロールさせて内容を読んでみれば酷い有り様。


ボロカスだ。



誹謗中傷しかない。




「うげぇ…、やば…」


「でしょ!やばいでしょ?」


「う、ん」


「特にほら見てぇ、これ。例の写真の兄弟について書いてる」




悪口合戦にドン引き気味な私とは違い、マキちゃんは証拠を掴んだ探偵のような勢いだ。



ベッタリと私にひっつきながら横からスマホの画面に指を差す。



見てみればマキちゃんゴリ押しの『クゲ君が見せた写真の兄弟は偽物説』について書いてあった。

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