第32話
「ちょっと何⁉どうしたの、それ!!」
「え…、あぁ、ちょっと車とぶつかって…」
「車⁉何それ?大丈夫なの?」
「うん。平気、平気」
心配する私にマキちゃんは手をパタパタと揺らしながら緩く笑う。
本当に大丈夫なのかな。
どう見ても、やばそうなんだけど。
「それよりクゲ君の噂、聞いたぁ?」
しかし、マキちゃんは自分の怪我のことよりクゲ君の話を聞いて貰いたいらしい。
目を見開いて私に話を振ってくる。
「そんなの毎日聞いてるじゃない」
「違う!新しい噂。ネットに書き込まれてる話」
ツッコめばマキちゃんはコソコソと声のトーンを落として興奮冷めやらぬ様子で私に言った。
しかし、そんな噂知らないし。
「何それ?」と首を傾げるとマキちゃんは壁際に寄って私を手招きした。
素直に従えば「ちょっと見て!」と言って、いそいそとスマホを取り出す。
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