第23話

「あ、キリちゃん」



マキちゃんの姿が見えなくなって直ぐ、休憩してたらしいクゲ君に声を掛けられた。


木陰のベンチに1人で座り込んで眠そうにしてる。




何をしてるのかと思えば、次の講義まで時間が開いたから、おやつを食べてたようだ。



可愛いクマのクッキー。


差し出されて食べてみたら甘くて美味しい。


手作りっぽい。




「可愛い〜。手作り?」


「うん。妹に貰った」




隣に行って聞けばクゲ君は嬉しそうに笑った。




妹さん…。小学生の?


確かこの間見せて貰った写真に映ってた。



微笑ましい…、と思いたいところだけど、さっきマキちゃんに聞いた話が頭の中を駆け巡って複雑だ。



本当に妹さん?って。

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