第24話

「いいなー、妹。お兄ちゃんっ子?」


「そうだね。毎日ベッタリ。隙さえあれば飛び乗ってきて遊べとか構えとか煩い」


「甘えた?」


「そー。勉強見ろとか、一緒に風呂入りたいとか、ご飯作れとか。逐一駄々捏ねるし、無駄に甘えた」


「ふーん」


「昨日も抱っこしろだの、添い寝してくれだの、泣かれて困った。一緒に寝たら寝たで朝になっても離してくれないし」




妹さんの話を喋りながら、クゲ君はその時の様子を思い出したように困った笑みを浮かべる。



何だかんだ言って可愛いんだけどねー、って穏やかな声で。




別に嘘を吐いてるように見えないし、本当に妹の話をしているようだ。



チビって言ったら子供扱いするなと怒るとか、他の妹たちを可愛いがってたら拗ねるとか。


普通に楽しそうに妹さんの話をしてる。





「弟達は?」


「そりゃ、可愛いよ。慕ってくれてるし、素直だし」


「へぇー」


「聞き分けも良いしね。お手伝いとか積極的にやってくれる」




すぐ小遣いを強請られるからちょっと困るけど。と、クゲ君は呆れたような笑みを描く。



それを見たってやっぱり普通。


ドコにでも居るお兄ちゃんって感じだ。

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