第21話

「本当かな?」


「絶対にそう」


「本人は?それっぽいこと言ってたの?」


「へ?」


「クゲ君と連絡を取ってるんでしょ?」




言い切るマキちゃんの顔を覗く。



マキちゃんが食堂でクゲ君に話しかけるか迷ってたあの日。



結局、話しかけに行って2人が連絡先を交換したのは知ってる。



そこからどうなったかは知らないけど、ちょくちょく連絡を取ってるみたいだし。



噂の真相について何も聞いてないのかな?



聞くにしたって聞きにくい話題ではあるけど。






「えー…、別に。特に何も…」




言いたくないのか、言いづらいのか、マキちゃんは私から視線を逸らすと、くぐもった声でボソボソと言葉を濁した。



表情を曇らせて明らかに変。



何なの?もう。


じれったいなー。

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